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あんらくし

考えたことのメモなど

あなたの救いになりたい(西尾維新の異端肯定)

@Shinitamiyarou: 「まともから外れてて出来損ないでおかしな人間でも幸せになれるんだよ」みたいなことを頭のおかしなキャラクターに言わせるという構図に救われている(西尾維新のはなし)


@Shinitamiyarou: 私はかわいくなくて頭が悪くてどうしようもない人間だけれど、死にたくてどうしようもなくなってもがんばって生に縋り付いていれば、いつの日か何かどうにかなって幸せになれるのかもしれないし、そうでなくても「こんなに無用な人間でも生きている」という事実を証明することで誰かの救いになりたい


以上二つのツイートが今のところの私の抱負というか、わかりやすく言えば生きる理由になるようです。

ずっともやもや考えてたこと、言葉にしてみたら140字で足りてしまうんだなあという感じですが、あとでわけがわからなくならないように少し補足しておこうと思ってブログを書きます。


掟上今日子の備忘録

掟上今日子の備忘録

昨日最終回をむかえた「掟上今日子の備忘録」、西尾維新原作をドラマ化だなんてどんなしょっぱい結果に終わるんだと冷やかしにみはじめたら普通に楽しくてけっきょく最後までしっかり観てしまいました。

その第6話に先述したようなシーンがあって、そういえば西尾維新にはまった理由はここにあるのやもと思ったことがきっかけでした。以下、あらすじの引用です。


古本屋のバイトを辞めた厄介は名門女子中学校の管理作業員として働き始めた。ある日の放課後、厄介は用具室で一人の女子生徒が気を失い倒れているのを見つける。部屋にはボンベからガスが噴き出し充満していた。厄介は少女を助け出そうとするが、なぜかドアが開かず閉じ込められてしまう。どんどん酸素が薄くなる中、厄介は警報機を鳴らし、一命を取りとめる。


厄介が助けた少女は、逆瀬坂雅歌(さかせざかまさか)。現場に遺書が残されていたため、雅歌の自殺未遂と思われた。しかし、あらぬ噂が広がり、厄介が雅歌を殺そうとしたのではないかと疑いがかかる。厄介の無実を証明するには雅歌の証言が必要だったが、彼女は命に別状がないはずなのに、なぜか眠ったまま目覚めない。厄介は、今日子に事件の真相を明らかにしてほしいと依頼する。


今日子は早速学校内での調査を開始。雅歌のクラスメイト達は人との接触を避けていた彼女とは距離を置いており、雅歌の名前もうろ覚えだった。生徒達に話を聞くうちに何故か今日子はセーラー服に着替えさせられてしまう。一方厄介は、巡回中の警察官に逮捕されそうになる。
今日子は厄介とともに事件現場の用具室へ向かい、厄介に事件当時の話を聞く。厄介は記憶をたどるうち、現場近くでもう一人の女子生徒の姿を見たことを思い出す。今日子はその少女が雅歌を殺そうとした可能性を考える。


(引用元/http://www.ntv.co.jp/okitegami/story/06.html


ざっくり言うと、

・自殺未遂した少女は自分の内面を誰にも知られたくないという気持ちが強すぎて、行きつけの古本屋でも本を一冊買う時に、カモフラージュのため興味がない本を数冊一緒に買うような子だった。

・しかし古本屋の店主は長年の経験から彼女の読書傾向を見抜いており、「彼女が好きそうな本が入荷した」とバイトの厄介に告げてしまう。

・厄介は親切心から来店した少女にその本を薦めてしまい、少女は自分の内面を見抜かれたと思い自衛のためその書店に足を運ばなくなる。

・ところが、厄介は偶然少女の通う学校の用務員として働き始めてしまう。少女は自分の内面を知っている人間がいることに耐えられず、厄介を殺して自分も死のうと考える。

・有毒ガスを充満させた密室に厄介を連れ込み、自殺と他殺は成功したかに思えたが、厄介はこれまでの経験を生かして彼女と自分を助けてしまう。

・無事命はとりとめたが、少女の意識はなぜか戻らない。食事もとらず、どうやら彼女は病院で死ぬ気らしい。

・探偵今日子は少女の行動動機を以上のように整理したが、彼女にかける言葉がなく病室に入ることはできなかった。

・厄介は寝たふりを続ける少女の病室に入り、枕元で自分の半生を語り始める。

・生まれついての不運な男だった自分が、それでもなんとか生きていること、毎日それなりに楽しいことなどを語った厄介は用務員を辞めるから安心して欲しいと言い残して病室を後にする。

・彼が置いていった土産のプリンを食べながら、少女は涙する。

という話だったのです。長い。

要は最後のシーンがこれに当たるよねということが言いたいだけです。諸事情で原作未読のため引用できず申し訳ない。


少女不十分 (講談社ノベルス)

少女不十分 (講談社ノベルス)


それからもう一つ、『少女不十分』のことも取り上げておこうと思います。戯言シリーズ人間シリーズを扱うには長すぎて再読してると終わらないというのと、りすかシリーズやら刀語やら、西尾維新の代表作があらかた書かれた後に出版されたものなのでそれらのことがまとめて書かれている部分がこの本にあるということで他のものは割愛したく。


以下、物語の核心部に触れるネタバレは避けたつもりですが本文からの引用があります。


誇りを持って偏人であってきたつもりだ。(p5)

三十路であろうと成熟しない自分というものに、価値を見出してもいるひねくれ者こそが、僕の正体である。(p8)


小説家の男が書いた小説、という体の作品です。


僕がUに語ったお話は……物語は、一般的ではない人間が、一般的ではないままに、幸せになる話だった。頭のおかしな人間が、頭のおかしなままに、幸せになる話だった。異常を抱えた人間が、異常を抱えたままで、幸せになる話だった。友達がいない奴でも、うまく話せない奴でも、周囲と馴染めない奴でも、ひねくれ者でも、あまのじゃくでも、その個性のままに幸せになれる話だった。恵まれない人間が恵まれないままで、それでも生きていける話だった。(p209)

道を外れた奴らでも、間違ってしまい、社会から脱落してしまった奴らでも、ちゃんと、いや、ちゃんとではないかもしれないけれど、そこそこ楽しく、面白おかしく生きていくことはできる。

それが、物語に込められたメッセージだった。

僕であろうとUであろうと、誰であろうと彼であろうと、何もできないかもしれないけれど、生きていくことくらいはできるんだと、僕はUに語り続けた。(p210)

きみの人生はとっくに滅茶苦茶だけど……、まあ、なにも、幸せになっちゃいけないってほどじゃあないんだよ。(p212)


こういうことを臆面もなく、作品を変えキャラクターを変え言ってくれるので西尾維新から離れられないんだろうなあと思います。

みなさまも機会があったらご一読くださいませ、という話でした。